『「気にしない」女はすべてうまくいく』の著者は、働く女性のアドバイザー的存在として数々の書籍を執筆されている有川真由美さんです。(有川真由美公式ツイッター)
本書は主に女性に向けて書かれているものですが、内容としては人間関係による心の疲れであったり、ラクにとらえられる考え方が書かれているので、男性の方でも参考になる内容かと思います。
仕事の人間関係だけじゃない、友達も恋愛もSNSも、様々な人と様々な関わり方をする現代だからこそ、自分を守るための付き合い方が必要になってるかと思います。
本書は人間関係において、ついつい人の言動や行動を「気にしちゃう」人たちに向けて、そして自分のコンプレックスや過去の後悔、未来の不安といったことまでも「気にしない」術を身につけ、人生をラクに生きられるアドバイスが書かれた一冊です。
- 人から言われたことがずっと気になっちゃう
- 自分のコンプレックスが気になって離れない
- 将来に不安がある
他人の言動を気にしない
「気にしてしまう」の正体は?
職場の上司のちょっとした一言、同僚からの返しの言葉、友達の何気ない話、などなど。
人の何気なく発した一言で傷ついたり、「それってどういう意味?」ってカチンとくることってありますよね。
本人に悪気はないと分かっていても、ちょっとした一言の意味を深堀したくなる。
そして悶々として引きずっちゃうことなんかもあると思います。
本書は「”気にしない”ようにするにはどうすればよいか」というHowTo本ですが、「気にしない」ということを次のように述べられています。
「気にしない」というのは、やわらかく考える心のクセをもつことです。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
「気にしないこと」は、感受性をなくすことでも、我慢することでも、強くなることでもありません。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
「気にする」という原因の中に、自分の感情による「思い込み」だったり大げさにとらえる「妄想」というものが含まれていることがあります。
ですので、
「上司から嫌味を言われた」→「私嫌われた!?」→「どうして?なんで?」
という思い込みを外し、事実だけをみてみると
「上司から嫌味を言われた」→「今回がはじめて」→「上司が嫌ってるわけじゃない。上司に何か嫌なことがあったのかもしれない」
という風に考えることもできるのです。
”視点”を変えるということは、ものごとをフラットに捉えるということなのだと思います。
相手と自分の間に白線を引く
価値観が違えば、ものごとの捉え方もさまざまです。
よかれと思って注意したことも相手にとっては深く傷つくことだったり、逆に注意しても暖簾に腕押しでこっちがモヤモヤしたり。
ここで必要なのは、相手と自分とを分けて考えることが必要だといわれています。
カンのさわる人に出会ったときに大切なのは、「人は人、自分は自分」という明確な境界線をひくことです。運動会などで使うラインカーで、相手と自分の間にサーッと白くハッキリした線を描くことをイメージしてみてください。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
そして状況を俯瞰で観察すること。
不快なことには無表情で反応しないことが効果的。
自分のためだけでなく、相手を傷つけないためにも、感情で受け取るのではなく受け取りそのものを拒否することが必要だと書かれています。
自分軸(ありのままの自分)で判断する
他はどうしてる?って気にしてしまう
服屋さんで、この服いいな、この色いいなと思っても、ついつい店員さんに「何の色が一番売れてますか?」って念のために聞いてしまいます。
結局悩んで自分の好みの色を買うことが多いですが、”他の人たちは何を選ぶんだろう””私がこの色を選ぶのは少数派?”など気になってしまいます。
「みんなと一緒」というのは安心感がありますよね。
しかし、「みんながしているから私も」と世間体を気にして無理しちゃうと自分らしさが見えなくなってくるといいます。
「みんながしていること」というのは、「正しい」わけではありません。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
ありのままの自分軸で“まわりの目”を手放す
人と違うということは「孤独」になるということをイメージする人もいるかと思います。
たとえばSNSのいいねも、みんなが押してるから仲間に加わる意味で押すとか、いつも押してるから押すとか。
みんなと同じ行為をすることで人とつながった感じがしますよね。
しかし、自分を軸にするほうが不思議なことにまわりとの“つながり”を実感するようになるとのこと。
人の目を気にする時の方が人のことも自分のことも猜疑心の目で見てしまうから、結局孤独がつきまとうのです。
自分軸をもつと、人からの嫌味だったり、マウンティングだったり、悪口だったり、年齢だったり、さまざまななことが気にならなくなるそうですよ。
「いまの自分で大丈夫」を軸にすれば、まわりの人たちもそれでいいと思えてきます。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
ありのままの自分(自分軸)とは
コンプレックスも愛する
自分のコンプレックスはなるべく見せたくありませんよね。ましてや人から指摘されることをビクビクしてる時もあります。
けれど、自分のコンプレックスを人に話すとたいがい「気にならなかった」という返事が返ってきます。
そして相手からコンプレックスのことを聞いても、「気にしすぎじゃない?」「なんとも思わないけど」と思うことが多いです。
「自分のコンプレックスを気にしてるのは、自分だけ」ということです。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
そして、人と”比べる“からコンプレックスがうまれる、自分への期待値が高いからコンプレックスがうまれるのだと言われています。
私たちは、気がつけば、朝から晩まで自分に“ダメ出し”をしています。
いい結果を出したり、いい評価をされないかぎり、自分をほめることはめったにありません。自分がいちばん自分に厳しいのです。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
自分軸でいれば「勝ち組」「負け組」はない
世間でよくある「勝ち組」「負け組」の世界。
女の人は特に”結婚している””していない”、”子供がいてる”いてない”、”夫の年収”、”子供の優秀さ”など気にすることが多いのではないでしょうか。
私はアラフォーで独身ですが、自分で選んでいった人生なのに、友人や親から「なんで結婚しないの」「結婚も子供もいなくて老後どうするの」「子供はいいよー」など言われるとついつい負い目に感じてしまう自分がいます。
そして友人が次々結婚していくと焦る必要ないのに焦ったり、やるせない気持ちになって、コンプレックス化することも。
そんな時は「他人との“戦い”」ではなく「自分との“闘い”」に目を向けるといいそう。
「どんな状態か」より「どんなふうに生きているか」のほうがずっと重要なのです。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
過去を引きずらず未来へ進むこと
”後悔”より”学習”として捉える
些細なことでも自分の行いを気にしたり後悔したりすることがあると思います。
「なんであんなことしたんだろう。」「なんであんなこと言ってしまったのだろう。」と。
また過去のことをずっと引きずっていて、「あの時ああしなければ今頃違っていたのかも」と思うことも。
しかし、「過去を引きずる」というのは「記憶の“解釈”に反応していること」なのだとか。
後悔の始めは”自分に対する怒り”や”嫌悪感”であるけど、時間が経った後悔というのは記憶が薄れた”勝手な解釈”によるものが多い。
その曖昧なものにクヨクヨしていることになるのです。
曖昧で変えられないことで人生ストップするより、楽しいことが待ってる未来に向けて進み出した方が世界が広がりますよね。
そういう時、過去の誤ちを“学習”として捉え直すことが良いそうです。
後悔している時は、勝手に悪い方に解釈しているので、いい解釈に変えることもできます。これには「おかげで〜〜」をつけて表現するといいでしょう。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
すべての経験は、これからの“生きる糧”になるのです。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
楽観的に未来をイメージする
現在の状況に不安がある時、うまくいっていない時、心配事がある時こそ、未来のことを悲観的に想像してしまうと思います。
しかしそんな時はやはり引き寄せの法則のように良い想像をしたほうが良いといわれています。
想像力が人生をつくるといっても過言ではないのです。
『「気にしない」女はすべてうまくいく』-有川真由美
有川さんも「「想像して、信じたことは現実になる」、つまり、想像したもの勝ちだと、信じているのです。」といわれています。
不安な時は楽観的になることは難しいと思います。
けれど、まだどうなるか分からない不安で今の時間を過ごすより、やることやって「これでダメならしょうがない」と開き直るぐらいに過ごした方が良い運気が巡ってきそうですね。
まとめ
あらゆるケースの「気にする」ことに対して、「この場合はこう考えて~」「この場合はこうすると気にしなくなる」といった詳しいHowToが書かれている一冊。
有川さんの経験や周りの体験談をもとに書かれているので、だれにでもあるような「気にする」問題について参考になります。
人から言われたことについ深読みしちゃって「気にする」方や、自分のコンプレックスも気になって前へ進めないかたにオススメの一冊です。
- 相手と自分との間に白線を引き、俯瞰して状況をみる
- ありのままの自分を愛して自分軸をもつ
- 過去の後悔も”学習”としてとらえる
- 未来のために良い想像をする